途中寄り道をしながらも、目的地であるドッグランにやってきた。

少し前まではたくさんの犬で賑わっていたけれど、近くにできた新しくて広いドッグランにお客を持っていかれたらしい。

最近はずっと私たちで貸し切っている状態。

確かにフリスビーを投げるときに、周りの様子を伺わなくてもいいのは嬉しいし助かる。

でも、飼い主さん同士とかわんこ同士の関わりが全くないのは寂しいな。

「楽しいからいっか」

私の投げたフリスビーを華麗にキャッチするクロは、多少身内からの贔屓目があるとしても、かなりできる子だと思う。

ボールはあまり気に入らないみたいで、フリスビーのときよりも覇気がないのが残念。

もう一度ボールを投げようとしたとき、クロが大きな声で吠える。

それに驚いて、見当違いな方向にすっぽ抜けてしまった。

ボールは大きく弧を描いて、ドッグランの外にいた人に──ぶつかる!?

「あっ、危ないです!」

私が叫んだのとほぼ同時、ボールはその人の手中にしっかり収まっていた。