そのときは。



♪~♪♪~♪~





一向にこぼれない涙に鼻の奥がツンとした時、手元のケータイが鳴り出した。


なに…、メール?


『受信メール:1件』





頭では分かっているのに、つい、自分に都合のいい想像をしてしまう。


“亜紀、ごめんね”


“やっぱりやり直したい”


そんな言葉を胸に抱きながら、震える指を滑らせた。


カチカチと無機質な音が、空っぽの部屋中に響く。





でも。


次の瞬間、あたしの指は止まった。