それでもなお涙は出ないまま、突っ伏すようにしてベッドに倒れ込んだ。 やっぱり無理。 忘れるなんて。 悠との日々をなかったことにするなんて。 大学生活のほぼ全てを費やした2年8ヶ月もの歳月は、21のあたしにとって、あまりに大きすぎた。 忙しなく動かしていたまぶたを、そうっと一つに結ぶ。 止まない雨の音。 時間が刻まれていく音。 感傷的になるには、十分すぎる状況だった。