カウントダウン・パニック

すると渡辺は手帳の新しいページを開き今度は犯人が言っていたヒントを書き出す。


「掛け詞といってもこのヒントの中ではそれに似た感じで使われているだけなんです。」

「どういうことだ?」

「つまり一つの言葉で二つの意味を持っているんじゃなくて、一つの言葉で二つの言葉を差してするです。」

「……言い回しが違うだけで言ってる意味は同じじゃないか?」

「いいえ!全く違います!」


寺崎の軽いツッコミにも動じない。

意味が分からない寺崎と赤羽は顔を見合わせてから再び渡辺の話しの続きを聴く。


「いいですか?まず最初の“急がないと主役は己の数字に喰われます。”は先ず一つとして“主役は自らのスペルを解除コードとした爆弾により死ぬ。”という意味はあってます。それからもう一つの意味を出すには、ここで警部が言っていた事が重要になってきます。」

「警部が?」


寺崎と赤羽は風間が言っていた事を思い返す。

すると赤羽がひらめいたのかあっと口を開く。


「もしかして“爆弾がカウントして爆発する”って言ったあれ?」

「そうです。」