「あの警部…」

「なんだ?」


寺崎は言い難そうに切り出す。


「“やはり”って…どういう意味ですか?」


風間は少し目を細めた。

それを見た寺崎はどこか不安がよぎる。

ちょうどその時。

風間の携帯の着信が鳴る。


「もしもし?」

〔第八エリア赤羽です!警部!エリア内にて爆弾らしき物を発見いたしました!〕


赤羽から爆弾発見の連絡が入る。


「そうか。では直ちにそれを応接室に持ってきてくれ!細心の注意を払ってくれ!重たければ荷台を使っても構わん!」

〔はい!〕


すると続けてまた着信が鳴る。

今度は第五エリアを捜索していた渡辺だった。

風間は赤羽の時と同じ事を言うと電話を切った。


「寺崎。」

「あっはい!」


急に呼ばれ一瞬ビクッとする。


「その爆弾を応接室に運ぶぞ。いいか、絶対落としたりぶつけたりするなよ。」

「はっはい…。」

「それから、応接室に着いたら“やはり”の意味を教える。」

「…分かりました。」


寺崎が返事をするのを確認すると風間は背を向け応接室へと向かった。