「やはりな…。奴は電話しながら逆探知が出来ない通話時間を計算してやがる。今の最後の言葉ではっきりした。」


風間は近くの椅子にドカリと坐る。

そして大きなため息をついた。


「奴め…爆発させる事が目的なのに何故タイマーの止め方を教えるって言ったんだ?考えている事がサッパリわからん!」


風間は頭を抱えてしまった。

すると阿部が盆を持って風間の前に現れる。


「あのっ…」

「ん?」

「こんな物しかありませんが、良かったら…」


差し出したのはインスタントコーヒーだ。

風間は阿部に礼を言うとそれを一口飲む。

同じように岩井も渡されたコーヒーを一口飲んだ。


「警部、爆弾を解体出来なくてもまだタイマー止める事が出来るかもしれません。犯人からの電話を待ちましょう。」

「…そうだな。よし、岩井いつでも電話に出れるように準備しておけ!」

「はいっ!」


二人は再びかかってくるであろう電話を静かに待った。