事務員が向かった先は守衛室。


「たっ大変です!」

「どーしたんですか!そんなに息を切らして…」


勢い良く守衛室の中に飛び込んできたので警備員たちは少し驚いた様子であった。

走ってきた事務員は呼吸を整えてから切り出す。


「いっ今…電話でこの劇場にばっ爆弾を仕掛けたって連絡が!!」

「なっ!?」


守衛室にいた二人の警備員は驚愕のあまり椅子をひっくり返すほどの勢いで立ち上がった。


「警察には言ったか!?」

「いっいいえ!」


質問に対して首を横に振りながら答える。


「なら連絡を…」

「待って!」


警備員の提案に少し若いもう一人の警備員が制止の声を掛けた。

それから事務員に質問する。


「その電話、警察に通報したら爆発させるとか言ってました?」

「確か…中止にしたり、観客を避難させれば爆発するとは言ってましたけど、通報したら爆発するとは…」

「そうか!なら阿部(あべ)さんは急いで警察に連絡を!私たちは向こうの人達に伝えてくるから!」

「あっはい!」


すると事務員、阿部は事務室へ走って行き、警備員の一人は楽屋方面へ走っていった。