カウントダウン・パニック

間に合った藤森はBの扉から出てきた人物に言う。

肩から少し大きめの鞄を掛けている。

そこに少し遅れて風間も到着した。


「はい?なんの事でしょうか?」


仁科は意味が分からないとでも言いたげに涼しい顔をしている。


「今更言い逃れは出来ませんよ。今回のこの事件の犯人は紛れもなくあなただ。」

「一体何を根拠に?」

「あなた、初めから自分が犯人であると電話で言っていましたよね?そう。“私はヘルマン”と言う事によって!」


一瞬仁科の体が強張った。


「藤森、それはどう言う意味だ?」


話しが見えない風間は怪訝な顔をする。


「最初私も全く気付きませんでした。しかしうちの部下の会話とある方の手紙の内容で分かったんです。」


すると風間が少し考えてから何かをひらめかせた。


「もしかして読み方を変える話しか?」

「そうです。」


すると仁科は少し拳に力を入れた。