―――11年前

「ななちゃん!!」
私の名前を呼んで駆け寄ってきた愛しいキミ。

私はそのくしゃっと笑う君の顔がたまらなく好きなんだ。

「なぁに?」
答えるととキミは私の頭に何かをのせた。

「可愛い!」
キミはまた私の好きな笑顔を見せてほほえむ。その顔に一瞬どきっと胸が高鳴った。