ありったけの愛を込めて




あたしはそう言ってその場から逃げた


これ以上あの場にいたくなかった
あたしの知らない林先生を見たくなかった


そんな先生いっぱいいるに決まってるのに……


もう、何なのこれ

胸が、痛い……


ズキズキするよ




教室の前で立ち止まってると後ろから美月が来た



「あれ、由依子?下に林先生いたけど、今日は話さないの?」



「ねぇ、美月」


「ん?何?」


その人の事を考えると笑顔になってドキドキ……



「その人の事を考えると胸がズキズキして痛いのも、恋なの?」



「……それも立派な恋だよ」


「うそ……だってあたし絶対好きにならないって思ってたのに、普通に話してるだけで楽しかったのに」