そう言って、私は沢原くんにペンを渡した。



「ごめん」



沢原くんは静かに言った。


「千尋ちゃんは、まだ別れた彼のこと、思ってるもんな」



違う……そうじゃない。



もう、すっかりふっきれた。



だけど、言葉にできなかった。



花村さんとつきあっていた。



その事実に、私はショックを受けていた。



あんなに可愛らしい彼女がいたのに。



どうして別れちゃったの?
 

ああ、気持ちの整理がつかない。