「違うよ、千尋ちゃん、ここ」
 


沢原くんが、指摘した。



「ウソ? どこ?」



「代入するとこ、違ってんじゃん」
 


彼はそう言うと、私から紙とペンを奪って、スラスラと式を書き出した。



「こっから違うんだよ。千尋ちゃんは に代入しちゃってるけど、代入するのは の方」



「あっ、そうか」



「な。……ってーと、つまり7をここに入れて、……答えは24っと」



「なるほどなるほど」



私が逆に教わる立場になっちゃった。



それがおかしくて、うふふと笑った。



「なんだか、沢原くんが先生みたいね」



「だから、やればできるんだって、俺」