勉強、いつ始めるのかな。


まだやらないのかな。



それとも、“雨天中止”?


今日はやらないのかな?



私、帰ってもいいのかな?
 

私がさっきから読んでいる小説も、もう随分とページをめくった。



いつでも始められるよ、のつもりでずっとここにいるんだけれど……。



どうなんだろ。



このまま、待ってていいの?



私がそう思った時だった。


沢原くんの声が、人だかりの中から聞こえてきた。



「さ、お勉強の時間だ」



私はふと、沢原くんの方を見た。