「どこにも入ってないよ。ただ、たまに色んな部活に邪魔してる」



「そ、そうなんだ」



「野球もやりたいし、バスケも好きだし、サッカーも楽しいし、陸上も得意だし……。特定の部活に入っちゃったら、それしかできないでしょ?」



……不思議な人だ。ううむ。



「そうだね」



「今、スリーベースヒット打ってきた」



「すごいね」



沢原くんは、少し肩が上下している。



存分に、楽しんできたのだろう。



ほんと、奔放な人だなぁ……。



そして彼は、両足を放りだし、背もたれにべったりともたれる形で椅子によりかかって。ダルそうに机の中から数学の教科書やらノートやらを取り出した。