番外編

「こりゃ不味いな」

「失礼ですの」

十九の夏。

退魔師になって数ヶ月。

特に目立った仕事はなく、街の巡回、引ったくりの捕獲を細々とした仕事をこなしていた。

町に彷徨い込んだ妖魔を里へと戻す事もあったが、大した事にならなかった。

今は更に補充される新人を迎えに行く途中で、街にある蕎麦屋で蕎麦を啜っていた。