番外編

「く、くそ」

あっという間に、ボタン一つで電気が体に走る機械をつけられ、鷹威は雑巾を持たされていた。

「さあ、君には教室中を綺麗にしてもらう役目を上げようじゃないか、うれしいだろう?」

「無駄な労働を生み出しやがって!生徒の本分である勉学を、ぎへええ!」

楓さんは椅子に座りながら無言で電気スイッチを押す。

本来ならば死んでもおかしくないような電流が流されているのだが、鷹威はヴァンパイアハンターの血筋を持つゆえに丈夫で出来ているわけだ。

死ぬか死なないかの瀬戸際で押さえられている。

どうにも、楓さんを怒らせてしまったようだ。

話の筋では当たり前の光景なんだろうが、傍から見れば悲惨としかいいようがない。

「はあはあ、楓よ、今日はどこまでやらせるつもりだ?」

「君が心配する事は何もない。余計な事を気にせず進めるのが先だと思うぞ」

「あのなあ、ぎおおおお!」

次には無言で涙を流しながら雑巾を動かしていた。

「さてと」

鷹威のことは放置しててもいいだろう。

「んー、めぼしいものはないアルな」

教室に入ってきたのは遺影に写っててもおかしくはない女性だった。

女性はブレザーを着用しており、眠そうな瞳を見せている。

名は葉桜吟。

言わずもなが俺の祖父母にして従姉という役割をもっている。

何故生きているのかという疑問はあってはならない。

なぜなら、この世界はシリアス展開を拒んでいるからだ。

「お姫様ー!」

ロベリアが吟に抱きついた。

突然に現れた女性に驚きを隠せずに、俺の時間が止まっていた。

「んー、なんか、妙に色っぽい女が多いアルなあ」

手をおでこに当てて遠くを見る素振りをしながら、品定めをしていた。

相変わらず性に対して、おおっぴろげで楽しむ気は満々である。

ちなみに、吟の手はロベリアの尻をちゃっかり揉んでいた。