番外編

「そいつは人間に見えて、実は殺戮を好む殺鬼なんだよ!」

叫んでいるのは見覚えのある鷹威恭耶だ。

別の学校の制服を着ている。

「ひどいなあ。こんなにも鷹威君を愛してるのになあ」

女の子は亜双佳那美だろう。

口をゆがませて笑う様は鬼だ。

「いや、ここは、そんなシリアスな方向にもっていかないから、というかヤンデレだよね」

俺は鬼になりそうな佳那美を抑えた。

「病んでないよ。これが普通なんだよ」

「普通と見せかけて、テンプレキャラじゃないか」

「何言ってるの?喜怒哀楽、人間っぽいでしょ?」

そう言いながら、腕を鬼に変える。

「いや、言動と行動があってないよ。もう、クレイジーさんは休んでていいよ」

「鷹威君!葉桜君がいじめてくる!私を癒して!」

「嫌に決まってんだろうが!俺は刹那一筋なんだよ!」

二人は死ぬか死なないかのギリギリの間際でやり取りを始めた。

何と言うか、俺と鷹威も相当かぶってるんだけどね。

今ではうじうじ悩むキャラではあるけれど、昔はツッコミキャラだったし。

でも、俺は改心したんだ。

いつだって女のこに優しくするってな。

「紳士な姿勢は素敵ですね」

隣で笑っている女性は、雪坂渚さんである。

いつも年上の面影がある渚さんだが、今日は制服姿だ。

「渚さん、とても、似合ってます」

この人には一生頭が上がらないだろう。

「ありがとうございます。丞さんも似合ってますよ」

「いやあ、何と言うか、もう一度この手に」

続きを言おうとした瞬間に、俺の近くで空気が破裂する。

俺は後方へ吹き飛ばされた。