番外編

寝るまでの間の一時、火を見つめていた。

誰かが何もしなければ、時と共に消える。

生命を宿しているかのような火を、男は嫌いではなかった。

「明日には終わる」

男は呟く。

男の故郷は少し離れた妖魔の里という場所だ。

妖魔の里には結界が張られているが、男のように任務に出る際には結界の外に出る事を許された。

しかし、結界の暗号を解き、無断で出て行く者もいた。

任務というのは、里から出た妖魔を連れ戻すという事。

妖魔の存在は隠匿されなければならない。

身勝手に妖魔の存在を広げる事は許されない事だった。

自分達の存在は恐ろしいという事を知っていた。

それは、人間から攻撃されないため、自分達も人間に攻撃しないため。

混血を出す事は許されなかったから、人間と交わる事は許されない。

過去の里は保守派の権限が強く、現在よりも厳しく統制されていた。