番外編

手の中にある最後の一つの石で水切りを行う。

「それで、どうする?」

郁乃は蛍の事を考える。

腕は一流、性格に難あり。

言動からすれば女のためには動く。

ただし、裏切らない保証はない。

だが、妙に成し遂げてくれる雰囲気を持っていた。

自分の身一つを捧げれば、不穏な空気がなくなるのならそれも良し。

「解ったでしょう」

「OK。交渉成立だな。じゃあ、前払いとして」

飛び掛ろうとしたところで、軽く回避する。

「後払いでしょう」

「ち、抜け目ないな」

これが、蛍と郁乃の物語の始まりであった。