番外編

蛍の拳は重く、妖魔といえど後方へ吹っ飛ぶ物であった。

「お前みたいな美人にぶち込みたいのは拳じゃなかったんだがな」

すかさず二本目のタバコの根元に火をつけて、怯んでいる人食い女に人差し指で弾き飛ばした。

蛍は背中を向けて歩くと、背後では爆発が起きていた。

「ふう、お互い損したな」

本日、三本目のタバコを吸いながら、裏路地から出て行く。

蛍の中には、妖魔を殺した後悔よりも、女とヤレなかった後悔が大きかった。