番外編

「というわけで、タバコを返してくれ」

掌を差し出すが、叩かれる。

「冗談も大概にしなさいですの。ちゃんとした書類も揃わないままで、勝手に動く事は許されませんわ」

蛍は萌黄の肩に真顔のままで瞳を見つめる。

「お前、目の前の美女、いや、人がピンチに陥ってても、そんな事言ってられるのか?」

「今、美女と言いましたわね?」

良い雰囲気とはいかず、萌黄の鋭い眼光が蛍を射抜く。

「気のせいだ。それより、萌黄、お前もガキじゃねえんだから、男の案内くらい一人で出来るだろう」

しかし、蛍はそれで動じる事はない。

「はあ、解りましたわ。でも、ちゃんと証拠を持ってくるですの」

「解ってる解ってる」

萌黄から笑顔でタバコを受け取り、裏通りに繋がる道へと走っていく。

「彼一人の戦闘でもOK?」

「蛍はアホですが、退魔師の中でもトップクラスの強さがありますの」

二人は本部へと向っていった。