大勢の声に反応したかのように、会場がライトアップされる。

大好きな歌手グループのヴォーカルがステージ中央でマイクスタンドを使ったパフォーマンスをする。

さっきまで行われていた、年末ライブを軽く上回るハイな空気。


心地よい震動が体を這い上がって脳天を突く。

思わず隣の友達の手をとった。

もちろん何となくで意味などない。


友達の方へ視線を送る。目が合った。

大歓声と大音量が行きかう中なので会話は不可能。


友達は、飛び切りの笑みを浮かべて繋いだてを空高々と振り上げて何か叫びだした。

心地よいことこの上ない。