モノ・クロ


「美月はもう帰った!?」

陽太が突然大きな声を出す。


俺はその陽太にびっくりして少し圧倒されながらも、

「あ・・・。今さっき帰ったばかり・・・どうだ?久しぶりに兄弟で帰ったりしないか?俺もこの反省文書き終わったとこだし・・・てあれ?陽太?」

陽太はいなかった。

陽太はそれを聞くとすぐに教室を慌てて出ていったんだ。


「今の陽太はなんだったんだ?」

あの慌てようは美月に何か用でもあったのか?



まあ、あまり深く気にしてても仕方ないか。



少しボケーとして、再び自分が書いた反省文の文章を読む。



「ああ~俺、こんなうまい文章書いて、小説家になれるんじゃねえか?」

一人で自分の文章力にのんきに感動していた。




その頃、陽太が美月に向かっているとも知らずに・・・。