少し困った顔を残して。



次の日も、あたしに藤咲さんはずっと付き添った。



あたしは松永さんや黒い男の人の影がないか、窓があるたびに確認した。


「今日は大丈夫みたいね」


夕食が終わり、あおいは藤咲さんに囁いた。


藤咲さんは何も言わず微笑んだ。




…あたしは忘れていたんだ。



あの手紙の最後の言葉。




――忠告しておくが、私を捕まえることは不可能だ………。