さっきのは、意図的ないじわるだと思う。 無表情でトーストをかじりながらあおいは思った。 でも、そんなことより… 今日から一週間、警戒してなきゃいけないんだ。 朝からお母さんが頼んだらしく、玄関前や庭に体格のいい警備員たちが見回っていた。 非現実的。あたしの為だけに。 誘拐だって言葉も非現実的だ。 ちょっと緊張してる。だけど。 「では勉強部屋にいきましょうか」 あたしに手を差し延べる、頼もしい藤咲執事さんがいる。