みつあみ少女にティアラを乗せて ж1部



藤咲さんは手を離して腕を組み、はぁと息を吐いた。


「あの、それで、聞いていいですか?」



「なんでしょう」


藤咲さんは腕組みしたまま眉を下げた。



「さっきの、あの赤毛の日本人。松永さん。知り合いなんですか?」


藤咲さんの表情が固まった。



――磔け執事の藤咲だろう?



いじわるく笑った顔。


へんに表情が変わる人。

その前まで優しい言葉やいきなり抱きしめたりして


へんな人。


「すっごく変な人ね」


あおいも顔を顰めた。


あの時はびっくりしてたから思わなかっただけで、落ち着いて考えると、変だ。


「あ、言っておくけどあれは…あたしが抱き着いたわけじゃなくて松永さんが急に…」


「…松永……」


藤咲さんは聞こえないみたいだ。ぽつりと呟く。