みつあみ少女にティアラを乗せて ж1部



手紙を持つ手が震えた。



なにこれ。



なにこれ。



なんなのこれ。



「あの人だ…あの黒い男の人だ」


言葉がこぼれ落ちた。


「黒い男の人?」



藤咲さんは顔を顰めた。


あおいは口を覆った。

首を振る。



――お前の大切な人を地獄に落とす。



「…あおい様」



「何でもありません」



「……」


藤咲さんは変わらぬ表情であおいを見る。


あおいは押し黙った。



「あおい様、どうして話さなかったのですか」


藤咲さんの口調が強かった。


あおいは驚いて藤咲さんを見た。


怒っている。