シンプルな部屋だった。 きれいに整えられたベッドがあり、なにも置かれてない木の机がある。 生活感がまるで感じられない部屋だった。まるで昨日引っ越してきたみたいに。 「お母さんが見つけたものって何?」 藤咲さんは蒼白なあたしの肩に手を置き、ベッドに腰掛けさせた。 「これです」 藤咲さんは便箋を差し出した。 あたしは封をあけた。 もしかして。 いやな汗をかく。