「お母さんに何があったの?!」


藤咲さんに手を引かれ、急かされながらあおいはきいた。


「お母様の身に危険はありません。あるものを見つけたんです」


藤咲さんは庭に出る扉を開き、あたしの靴をはきかえさせた。


「あ、あるものって…え?どこ行くんですか」



藤咲さんは再びあたしの手を引き、庭にでた。


庭を歩くと、あの黒い人を思い出す。

あおいは藤咲さんの手をにぎりしめた。



向かった先は離れだった。