こんなときは大声で叫ばなければいけない。 でも実際そんなの無理だ。怖い。声が出せない。 それとともに疑問が浮かぶ。 なんで屋敷の庭に知らない人がいるの。 「平野あおいか?」 男は低い声できいた。 違うと言ったら助かるのだろうか? 「家政婦か?」 あおいはぎゅっと目をつぶった。 「まあいい、来い」 引っ張られてゆく。 助けて… 藤咲さん…!