「珍しいお返事ですね」

藤咲さんは可笑しそうにした。


「藤咲さんはお似合いです」


あおいは堅い表情で笑った。


「何がです?」



「先生みたいで」



すると、藤咲さんは僅かながらため息をついた。


…え?



しかし表情は相変わらず微笑んでいた。


見てはいけないものを見てしまった気分になって、あおいは気にしないよう努力した。


藤咲さんがため息ついちゃうなんて、以外。


どうしたんですか

等ときくのは前の馬鹿なあたしのこと。


あおいは数式を解くのに集中した。