休日が明け、藤咲さんの授業に出席する。



黒板の前に立ち、数式を書く藤咲さんを見ながら、あたしはぼんやり考えていた。



時々、あの人は悲しい色を覗かせる。


何でもない時に、不意にそんな色が見えるんだ。


あたしはほんとは

その色が知りたい。

知りたくて仕方ない。



そんな風にまた考えてる。

懲りないんだから…あたし。
もう藤咲さんの事考えるの止めようって決めたんだよ。


また嘘つかれちゃうから。


「あおい様、この数式解いてください」


教師みたいに言う藤咲さんに


「…はいっ」


あたしは生徒みたいに応えた。