脳裏に浮かぶ。
綾の顔
池野くんの顔
近所のおばちゃん
担任の先生
…会いたいよ。
みんなに会いたいよ。
ここじゃ一人ぼっちだよ…。
その時、ノックがした。
あおいは、はっと顔を上げた。
続いて聞こえたのは、家政婦さんの声だった。
「あおい様、大丈夫ですか?夕食に手を付けず、ご気分もすぐれないご様子で」
「……」
あおいはドアを睨みつけた。
こんなの、あたし子供みたい。
嫌気がさす。なにもかも嫌気がさす。
「デザートの苺のブリュレだけ、お持ち致しました。あおい様は甘いもの、お好きでしょう?」
ちょっとだけ、苺のブリュレというフレーズに心が動いたが、そんな自分が嫌になってぐっと堪えた。
子供みたいだ。いじけた子供みたいだ。

