「ありがとうございます、そんな心配りを、あおい様が…」 藤咲はホットケーキを受け取った。 あおいはそろりと藤咲を見た。 ずっと微笑んでいたのかと思った。 でもそれはあたしの勘違い。 藤咲は、ぽかんとホットケーキを見つめていたのだ。 不思議そうに 困ったように 表情を隠さないで、それさえも忘れてしまったみたいに 藤咲は驚いていた。 そして我にかえったみたいに微笑んだ。 「読めませんね…あおい様の行動は」 へへ、とあおいは笑った。 藤咲さんって驚くんだ。