みつあみ少女にティアラを乗せて ж1部


張り切って早起きしてホットケーキを作ったあおいは、いつもより一時間も早く勉強部屋に行った。


だから藤咲は驚いていた。


「屋敷に行くと、家政婦にあおい様がもう勉強部屋に入られたと聞きまして…」


「うん。早起きしたから…」


そうですか、と困ったように微笑む藤咲。


「あの、それに…」


あおいは机の中に隠していたホットケーキを包んだナプキンを取り出した。


が、頑張れあたし。



「あの…これ、ホットケーキ、作ったんです」


あおいは藤咲にホットケーキを突き出した。


お礼のつもりに渡すだけなのに、すごく恥ずかしかった。緊張した。藤咲さんの顔を見れない。


「よかったら貰ってください!」


少しだけ、間があった。

藤咲は直ぐには受け取らなかった。