藤咲さんが言ったこと。
こんがらがった。
どういうこと…?
夕食を睨みながらあおいは考えた。
仕えることと関係ない話はするなってこと…だよね?
謝ったらあたしが謝ることじゃないって藤咲は言った。
藤咲さんのこと…
聞いちゃいけないの?
あたしは…
どうして
藤咲さんが気になるのかな?
夕食の席にはもちろんあたしの家族だけ。家政婦さんがその周りの世話をする。
…藤咲さんは?藤咲さんは何しているの?
どこにいるの?
あおいは、思い切って家政婦に呼びかけた。
「もちろん藤咲執事も住み込みですよ」
「住み込み?」
「ええ。私たち使用人は、お庭の離れに部屋を持たせてもらっているんです」
庭に離れなんてあったんだ。
じゃあ藤咲さんはそこにいるんだ…。

