藤咲の午後の授業を終えると、あおいは机に突っ伏した。
「疲れたぁ…」
「お疲れ様ですあおい様」
教材をまとめながら藤咲は言った。
「…藤咲さんはこのあとどうするの?」
あおいは突っ伏しながら藤咲を見た。
「あおい様が私にご用があれば付き合いますよ」
「用がなかったら?」
「あおい様はそんなに私の事が気になりますか?」
ドキリ。
そんなつもりじゃなかったんだけど…。
また顔が赤くなっちゃう。
そういう意味で藤咲さんは聞いてない。あたしのばか。なんでこうなるの?
「私は執事ですから、あおい様にお使えするのみ。関わりのないことは無意味な事だと」
「…え?」
ちょうど藤咲は背を向けてたから表情は分からない。
でも要するに、あたしに関係ない話をするなってこと?
まさか…怒らせた?
「ご、ごめんなさい!あたし調子に乗って…」
「いいえ」
振り向いた藤咲は微笑んでいた。
「あおい様が謝る事ではありません」

