仕返しだ。
「藤咲さんはガールフレンドは?」
すると藤咲はにこやかに小首を傾げた。
さあねと言わんばかりに。
「モテるでしょ。絶対いるって!」
「どうでしょうね」
にこやかにはぐらかされた。
こんなに整った顔立ちでモテないわけない。すらりと華奢で、たまにいいニオイがするし。
女の子をエスコートするのだって慣れてそうだもん。
「結婚とかしてませんよね?」
「そうみえますか?」
丁寧に答える藤咲に、あおいは思った。
この人、いくつ何だろう?
あたしよりは年上なのは確実。頭いいし自立感あるし。ただハーフのせいか、ひどく大人に見えるんだ。
結婚する歳なのだろうか。
あおいから見ると、藤咲は謎めいていた。

