みつあみ少女にティアラを乗せて ж1部



難しい藤咲の授業。


そして休憩時間、日本での生活のことを藤咲に話してる自分がいた。


藤咲は静かにあたしの話を聞いてくれた。


いろんなことを話した気がしたけど、池野くんのことは言えなかった。

藤咲の前だと、なぜか恥ずかしかった。


でも話し終えると、胸のつっかえが少し楽になったかもしれなかった。



「では、日本での生活は楽しかったのですか?」


「うーん…」


あおいは眉をひそめた。

楽しかった…?


池野くんがいれば毎日楽しかったかも。

でも今はあたし…池野くんから逃げた。そのままこっち来ちゃったから、池野くんと変な空気のまま…。


「あんまりかも…」


あおいはおやつのシフォンケーキを頬張りながら答えた。


「そうですか」

藤咲は優しく微笑んだ。

「…」

藤咲が微笑むたび、ドキリとしてしまうのはなぜだろう?

「あおい様にはボーイフレンドはいらっしゃったのですか?」


「え?!」


不意に、ボッと顔が熱くなる。


「いらっしゃったのですね?」


あたしの様子を見て、藤咲はささやく。


「い、いやそんな!あたしなんか…男子に相手されませんでしたもん」


藤咲は微笑むばかりだ。

なにこれ。すごい恥ずかしい。そもそも執事にあたしの彼氏がどうやらなんて関係ないじゃない。