みつあみ少女にティアラを乗せて ж1部


しばらく顎に指先を当て、考えていた藤咲は、

「ああ!」


と、顎から指をはなし、表情がほころんだ。


「初めてお会いした時ですね!ええ、たしかにご機嫌の悪そうに呟いてらっしゃるあおい様が見えましたよ」


うあぁっ!やっぱり!


「ご、ごめんなさいっ!あたし、フランスになんか行きたくなくて…帰りたかったんです」


あおいは勢いよく頭を下げた。


「でもお母さんはこういう暮らしに憧れてたし、それにこんなとこ初めてだし、あたし疲れてて…」


「顔を上げてくださいあおい様」


「…へっ?」


恐る恐る顔を上げ、藤咲を見ると、藤咲は相変わらずの笑顔に、困惑気味が交じっていた。


こ、困らせちゃったかな…

あやまられても困るよね…


あーぁ、最悪だ、あたし。