いま思えば、あたしとっても失礼なこと言っちゃた。
“執事”のこと…ちょっと誤解してたのかも……
って…違う違う!なに認めようとしてんのあたし!?
「あおい様」
「…はいっ?」
「素敵な夕焼けと思いません?」
気がつけば、街を抜け、穏やかな丘の上に着いていた。
「…す、すごく綺麗…」
夕焼けは、とても大きく優雅に、ただ儚くて…。
しばらく見つめているうちに、綾や池野くんや前の家での生活を思い出して、寂しくなった。
同じ空の下…
日本でもきっと…この夕焼けは同じなんだ。
あおいはコートの下で、手を握りしめていた。
あおいはふと、隣の執事を覗き見た。
執事も夕焼けを眺めていた。
この人、夕焼け似合うなぁ…。あれ?そう感じるのって…この人の外観だけじゃない…。
夕陽に照らされた執事の瞳は、どこか物悲しさがあった。

