と、その時家政婦さんが通り掛かった。


「あら藤咲執事と…」


それからあたしを見た家政婦さんは、目を丸くした。


「あ、あおい様!その格好で外へお出向きなさるんですか?」


そのはず、あおいはスエット姿なのだ。

…でも、ほかに服と言ったら、あんなヒラヒラしたのしかないし…。


「メアリーさん、あなたのコートを貸して頂けませんか?」


執事が家政婦さんに言った。


…え?


「私の今朝のコートですか?そんなものをあおい様に着せるつもりで?」

家政婦さんは信じがたいと言う目で執事を見た。

「そんなものだなんて滅相もありません。あなたの今朝のコートはシンプルでかつとても綺麗にされていた。きっとあおい様にピッタリだと」



…ちょっと、執事…何言ってんの…?