「あおい様、御召し物はどれにしましょう?」
あおいは執事に、ドレッサールームみたいなところに案内された。
このばかみたいにいかれドレスが、あたしの部屋着らしい。
「あたし、スエットでいいです…」
「スエット?スエットとはどんなお洋服で?」
…この執事、スエットを知らないのか…。
「パジャマみたいな感じで…上下が同じ色で…」
執事はあたしの言葉を頼りに、ドレスのなかをまさぐっている。
「…あ、多分…ここにはないと…」
「…無い?」
「あの、近くに古着屋とかありますか?あたし買いに行くんで…」
「とんでもございません!あおい様!」
「へっ?」
執事が大きな声を出したから、あおいはドキリとした。
「私が買いに行きます。あおい様は勉強部屋でまっていて下さい」
「買いに行くって…あなたスエット分からないじゃ…」
「調べますのでご心配なく」
そう言って執事は一礼し、ドレッサールームを出た。
「はあ…」
あおいは小さく呟いた。
「なんなの…」