「あおい…起きて」


…ん?


その声…


「あ、綾…?」


顔をあげると、目の前に綾がいた。


「ここ…」


教室だ。いつものみなれた教室だ。


「なにきょとんてしてんの?」



「…えっ?あたし…ね、寝てたの…?」



綾は吹き出した。
「ばっか何寝ぼけてんの!」



「ね…寝ぼけ…」

夢……夢?!
夢だったの?!


「もう…寝過ぎだからだよ」


「綾聞いて!すごい夢見たの!」
あおいは身を乗り出し、綾に今まで見た出来事を話した。

「もうどうしようかと思って!フランスになんていきなり住めるわけないよね」


「あはは、でも面白そう!」


「綾は経験してないからそう言えるんだよ」


「あおいだって、たかが夢じゃない」


「ほんとにリアルだったんだから!」


…でも良かった。夢で。ほんとに良かった…