「なんなの…執事ってさ。」

豪華な階段をおりながらあおいはぶつぶつ呟いた。

「執事…教育係…。要らないっつーの!」


怒りであおいは早足になった。


「あたしは高校生!普通の高校生!令嬢じゃないのに学校も行くのに…もう!」



「あおい様…?」



声がした。

「…えっ?」


階段の下に、いつの間にかスーツの男の人が立っている。

…聞かれた?ま、まさか?!


に、逃げるしか!


そう思って回れ後ろ、慌てて階段を上がろうとした足が、むなしく空振りした。


「きゃ…!」


た、た、倒れる!

やだあたし、逃げようとして転んで…情けない!

って…あれ?



落ちて…ない?