みつあみ少女にティアラを乗せて ж1部



「…お気持ちは嬉しいです。でもあたしには執事さんがいますから大丈夫です」


松永さんの顔が少し歪んだ。


「ああ…この前の男か」


え?


どうしてそういう言い方するの?


二人は知り合いみたいなのに。



「あいつなんて、信じては駄目だ」


「どうして」


「こっちの台詞だ」
口調が変わる。
「あんな仮面を被ったままのあいつをなんでお前は信じられるんだ?」


………仮面?


「藤咲さんをそんな風に言わないで!」


あおいは声を上げた。


「俺の事をあんな風に言ったのは誰だ?」


「えっ…」


最初、意味が分からなかった。

しかし気付いた途端、松永さんへの警戒心がざあっと上がった。優しく抱きしめられたことが、心の隅に沈んでゆく。


聞いてたんだ。


藤咲さんの寮で話してたこと、聞いてたんだ。


「あおいちゃん、俺の方へ来ないか。そうしたらお前が大好きな藤咲のことを教えてあげる」


ドキリと心臓が跳びはねた。