片隅に沈む心


 高校2年生。

 瑠子はクラスの女子にパシリをさせられるようになった。

 その光景は第三者から見ればいじめに見えるだろう。



「あたし焼きそばパンね!」

「すぐ売り切れちゃうんだから! 早く買ってきてよね!!」



 瑠子は自らの病状を隠しながら通学していた。

 だからいじめっ子にも遠慮が無い。
 
 頼まれたものを買えなくて、
殴られるのを覚悟した時に、
声がかかる。


「いい加減にすんのはお前たちだ」


 杉島孝久である。