授業が終わり、部活動のある生徒以外は帰宅していく。 孝久も帰宅していく生徒のひとりだった。 「こんにちは」 「げっ」 校門の前で萩島に待ち伏せされていた。 「『げっ』とは何よ、『げっ』とは」 「変な奴に出くわした時に発する声だ」 「こぉーんなに可愛い子があなたの事を待っていたというのにね」 「自画自賛はみっともないからやめておけ」 「むっ」 とは言ったものの、萩島が可愛いのは事実である。 少なくとも、孝久にとっては魅力的な容姿をしている。