片隅に沈む心


「あなた、名前は?」

「知ってるだろ、一応クラスメイトだ」

「知らないわ」


 溜息を吐く。


「……孝久だ。杉島孝久」

「そう、覚えておくわ。あたしは瑠子。萩島瑠子」

「同じ『島』が付くんだよな」

「え?」

「いや、何でもない」

 
 ──たったそれだけで親近感が湧いちまうとはな。