片隅に沈む心


「な、何よ、あんた」

「ったく、さっきからお前たちうるさいんだよ」

「私たち今取り込み中なの、あっちいって」

「お前があっちいけや、ぼけぇ!!」

「ひっ!」

 
 一目散に消える女子連中。
 
 残ったのはひとりの少女。


「……大丈夫か?」

「……………遅い」

「え?」

「遅い!」

「…………」

「もっと早く助けなさいよね、まったく」

「……助けてもらっておいて言うに事欠いて『遅い!』だと?」

 ──なんて女だ。